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特別棟の獣
第22章 北海道旅行②
〈吏生 side〉


買ってきたお酒を美味しそうに飲んでる。

度数が低くても、飲む量を気をつけないとなぁ。


「吏生はビールが好きなの?」

「そうだね、ビールと焼酎かな」

「私にはその美味しさが分からないけど…」


ビールは美味しいって言うよりのどごしがいいって感じだけど。


少し前に百合に一口ビールを飲ませたら凄い嫌な顔をされたのを思い出した。

苦いのが苦手なのか「苦いし美味しくない」って言われた。


百合は甘党だから今飲んでるような可愛らしいお酒が似合う。

シャンパンも美味しそうに飲んでたけど、あれは度数強いからまた飲みたいって言われたらどうしよう。


百合に強請られるとなんでも許してしまいそうになるんだよな…


「吏生、抱っこ」

「どうしたの?百合が甘えてくるの珍しいね」


グラスをテーブルに置いて俺に両手を広げて待ってる姿が堪らなく可愛い。

膝の上に横抱きにして乗せてあげると機嫌がいいのか、ニコニコしながらテレビを見たり、今日行ったところが楽しかったなどとキャッキャしながら喋っていた。


いつもより少しテンションが高いのは酒のせいもあるのかもしれない。
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