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特別棟の獣
第23章 不安な気持ち
30分くらい本を読んでいると、ウトウトしてきた。


「百合?いつもリビングで本読むのにどうした?体調悪い?」


私の事なんて気にしなくていいのに、優しい吏生はいつもと違うことがあればいつだって気にかけてくれる。


「ううん、吏生お仕事してたから邪魔しちゃうと思って」


「ごめん、気使わせてた?でも百合のこと邪魔なんて思わないからいつも通りでいいよ」


うーん……


そう言われても気にしちゃうものは気にする…


「寝よっか」


「うん」


同じ布団に入って吏生の腕の中に入れば、自然と瞼が下がってきた。


不安なことがあっても、嫌なことがあっても寝る前に吏生がこうやって抱きしめながら頭を撫でてくれると安心する。


そのまま私は意識を手放し、朝までぐっすり寝てしまった。
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