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特別棟の獣
第24章 生活の変化

そんな私は今日も夕食を作っている。
ビーフシチューを煮込みながらぼーっと時計を見ると、もう吏生が帰ってくる時間になっていた。
「百合~~ただいま、お土産買ってきたよ」
大好きな吏生の声が聞こえて私はトコトコ駆け寄った。
「またケーキ買ってきたの?太っちゃうよ…」
「これ新作だからって買わされたんだよ。会社の前にあるし、数回行ったら奥様にどうですかって声かけられるようになっちゃった」
「奥様って……」
「いい響きだよね。もう少しで本当に人妻になるし」
嬉しいはずなんだけど、吏生が言うとなんか変に聞こえるのは気のせいかな…
ケーキを冷蔵庫に入れていると、いつもは来ないのに吏生がキッチンに入ってきた。
「めっちゃいい匂いする。何作ってるの?」
「今日はビーフシチューだよ」
「マジ?百合が作るやつ美味いから早く食べたいんだけど」
「もう少し煮込みたいから先にお風呂入ってきて」
「はいよ。ビーフシチュー食べたら百合も食べていい?」
「駄目です」
こんなやり取りも最初は困っていたのに、軽くあしらえるようにもなった。

