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特別棟の獣
第26章 最愛の人は特別棟の獣
マンションに着いてそれぞれの部屋に戻り、私は食事に行くために着替えをした。
去年の誕生日に吏生が買ってくれたブランド物のワンピースを着てリビングに戻る。
「あ、それ着てくれたの?似合ってるね」
「私には勿体ないくらいだよ…」
きっとこのワンピースは10万円は軽く超えてるだろう。
でも普段着れないから今日着れてよかった。
予約してくれたイタリアンのお店に入り、ご飯を食べている時、吏生と今までの事を振り返った。
「大学で百合に会えて良かった」
「私も」
「百合はなんであの大学にしたの?」
「経済の勉強をしたくて。秘書の勉強は学校に行かなくても大体理解できたけど経済とか経営の勉強はやっぱり難しいから家から近い大学に行こうと思って。吏生は?」
「親戚が理事長だから」
「それだけ…?」
「うん。大学なんてどこでも良かったし、卒業だけできれば満足だからね。理事長のおかげで自由に色々できたし」
やっぱり吏生って少し変かも。