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特別棟の獣
第4章 侵食されていくカラダ
「百合ちゃん?どうしたの?」
立ち止まってしまった私を不思議そうに振り返ってくる。
「今日はもう帰ります…」
「え?一緒に学食行くって昨日約束したじゃん」
「他の人と行ってください…」
「理由は?」
理由?
なんでそんなこと聞くの?
さっきまで他の女の人と一緒にいたんでしょ?
そうなら私なんかに構わないでその人と行ったらいいのに…
なんで私もこの人と仲良くなっちゃってるんだろう…
約束なんてどうでもいいや。
帰ろう。
吏生さんに背中を向けて歩き出し、階段を降りて行くと後ろから手を繋ぐように掴まれ、足が止まってしまった。
離してと言おうとしたけど、振り返ると吏生さんは私の手をギュッと握って特別棟へ足を踏み入れた。
黙ってついて行くことしかできない私は、部屋に入れられてソファに座らせられた。