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特別棟の獣
第1章 出逢い

ある日、出たい講義までまだ時間があった。
裏庭は生徒があんまり来なくていい穴場。
そこにあるベンチで好きな読書をしていた。
ヒールを脱いでベンチに横向きで座って読書をしている時───
「可愛い子みーつけた」
「…………………」
誰かの声が聞こえたけど、友達がいる訳でもない私は反応することなく本を読み続けていた。
すると、声の主は「ねぇねぇ」とベンチの背もたれに手をついて私の顔を覗き込んでくる。
スっと視線を上げるとビックリするほど整った顔の男性がいた。
シルバーアッシュの髪から覗かれる瞳は目が合うとニコッと笑う。
カッコイイと言うか…美形……?
女の私ですら羨ましく思うくらい…

