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特別棟の獣
第1章 出逢い
「名前なんて言うの?」
「百合です…」
あんまり苗字を教えたくない私は下の名前だけ彼に言う。
シルバーアッシュの髪が風に揺られてキラキラして見えた。
彼は「百合ちゃんね」と再び笑顔を見せると
「俺のこと知ってる?」
と首を傾げる。
どう見ても初対面。
その証拠にあなただって私の名前知らなかったくせに…と心の中で呟いた。
「知らないです」
「俺は吏生(りお)」
「吏生さん…」
「うん。この後って講義あるの?」
「はい…」
「一緒にサボろ?」
へ…?
サボる……?
この人と……?