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特別棟の獣
第5章 独占欲と嫉妬
「いつまでいんの?早く出てってほしいんだけど」
「起きたら出てくって」
今すぐ出ていってほしいんだけどね。
ゆっくり寝顔を眺めてたかったのに。
冷蔵庫にコーヒーを取りに行って戻ってくると、あおいがタバコを手に持っていた。
「ここ禁煙なんだけど」
「禁煙してんの?」
「百合ちゃん、タバコ吸うように見える?キツい香水の匂いもダメなんだよね」
「あー…もうそこまでいったら病気。百合病だわ」
なんとでも言えばいい。
これ以上嫌われたくないんだよね。
暫くすると「ん…」と可愛い声が聞こえて布団が動いた。
「お姫様起きた?」
「かも。じゃあね蒼」
「はいはい、お姫様によろしく」
部屋から出て行く蒼を背にベッドに近付くと、可愛いその子はまだ目を瞑っていた。