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特別棟の獣
第6章 開き始める心

〈百合 side〉


なんだろ…、この心地良い香りと温かさ……


重い瞼を開けてみると、ビックリする光景に身体が固まった。


目の前には綺麗な寝顔があって、私はその人に腕枕をされている。


腰には片方の腕が巻き付かれていて、まるで抱き合ってるみたい…


どうやってこの状況から抜け出そう…。


巻きついてる腕をそーっと退かして……


「百合ちゃん…?」


はぁ……、なんで起きるの…?


「あ、あの……腕……」


「もう少し…」


私の胸元に顔を擦り付けてくるのが猫みたい……


そんな事より今何時だろう。

講義出れなかった…。

何のために大学に来てるかこれじゃ分からない…


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