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特別棟の獣
第6章 開き始める心
「ごめん、それだけは無理」
自分勝手過ぎるし、これ以上話しても無駄な気がする。
「できるだけ我慢するから一緒にいて」
「………」
「そんなに俺と一緒にいたくない?」
「………はい」
「どうして?」
「目立つのは好きじゃないので……」
「でも百合ちゃん可愛いから嫌でも目立つと思うけど」
そんな事ない。
これでもできるだけ目立たないように生活してきたつもり。
裏庭で読書したり、講義がなければすぐ帰ってたし、人目につかないようにしてた。
吏生さんがあの時、私に声をかけなければ……
また高校生の時のような思いはしたくないのに…