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特別棟の獣
第6章 開き始める心
吏生さんといれば、目立ってしまう。
高校の時だって話したことも無い男の子に告白されて断ったものの、その子が学年で一番人気だったらしく、周りの女の子達からは沢山嫌がらせをされてきた。
女の妬みや嫉妬ほど怖いものはない……
正直にその事を吏生さんに伝えれば「分かった」と俯く私の頭をひと撫でした。
解放してくれるのかな……
「大丈夫。そんな事はさせないから」
やっぱり少しでも期待した自分が馬鹿だった。
この人に期待しちゃ駄目だった。
「目立っちゃうのはどうにもできないかもしれないけど、百合ちゃんの事は守ってあげるから」
期待しちゃ……駄目……
でも、吏生さんの目は真っ直ぐに私を捉えていて、真剣そのもの。
これから先、私はどうなっちゃうの……?