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特別棟の獣
第7章 夏休み①
「他の男とは話してない?」
「話すってほどでは…」
「話したんだ?」
「何名か…名刺を渡されたので……」
「まぁ、そんなドレス着てれば男は黙ってないよね。後でその名刺見せてね」
吏生さんは機嫌が戻ったのか、少し微笑みながら私の頬を指の甲でなでる。
「で?なんで百合ちゃんがいるの?今日呼ばれた?」
「父が主催のパーティーにはたまに連れてきてもらってて…」
「え……まさか朝倉コーポレーション?」
「はい…」
「なんで言ってくれないの?百合ちゃんがいるって知ってたらもっと早く来たのに」
私が黙って俯いていると「苗字朝倉だもんね、なんで気づかなかったんだろう」とブツブツ独り言を言う吏生さんの声が耳に入る。
「言いたくなかった?」
「そうですね…」
「俺は百合ちゃんのこと知りたいけど」
「朝倉コーポレーションの社長の娘って言えば、ブランドのように扱われるので…」
お父さんの娘だからって寄ってくる男の人はいっぱいいる。
媚を売ったり、会社の利益の為に近寄ってきて私の中身なんて見ようともしてくれない。
そんな人は嫌。
「肩書きって邪魔だよね」
そう言った吏生さんの顔は笑っているように見えたけど、どこか悲しそうだった。
「話すってほどでは…」
「話したんだ?」
「何名か…名刺を渡されたので……」
「まぁ、そんなドレス着てれば男は黙ってないよね。後でその名刺見せてね」
吏生さんは機嫌が戻ったのか、少し微笑みながら私の頬を指の甲でなでる。
「で?なんで百合ちゃんがいるの?今日呼ばれた?」
「父が主催のパーティーにはたまに連れてきてもらってて…」
「え……まさか朝倉コーポレーション?」
「はい…」
「なんで言ってくれないの?百合ちゃんがいるって知ってたらもっと早く来たのに」
私が黙って俯いていると「苗字朝倉だもんね、なんで気づかなかったんだろう」とブツブツ独り言を言う吏生さんの声が耳に入る。
「言いたくなかった?」
「そうですね…」
「俺は百合ちゃんのこと知りたいけど」
「朝倉コーポレーションの社長の娘って言えば、ブランドのように扱われるので…」
お父さんの娘だからって寄ってくる男の人はいっぱいいる。
媚を売ったり、会社の利益の為に近寄ってきて私の中身なんて見ようともしてくれない。
そんな人は嫌。
「肩書きって邪魔だよね」
そう言った吏生さんの顔は笑っているように見えたけど、どこか悲しそうだった。