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ウンディーネの泉
第3章 映画館
 これがやりたかったんだ。
 デートの定番。
 出来れば足元に吸殻の山とか頭の上に雪を積もらすとかしたかったが生憎煙草は喫んだ事ないし今は真夏だ。
 まあ、贅沢言い出したらキリがない。
 軽く息を弾ませているミユの手を取り駐車場に向かう。
 周りから俺達の関係はどう見えるだろう。
 親子。は、ないな。
 友達。これも無理がありそうだ。
 年の離れた兄妹。仲の良い伯父と姪。従兄妹。
 そんなところか?
 肉体関係のある恋人だとは誰も思わないだろう。
 この可愛い妖精みたいな子が俺の彼女。
 何とも言えない幸福感、高揚感に足取りも軽くなる。
 車を走らせる事15分程。
 俺達はミユのリクエストで大型ショッピングセンターに入った。
 ここにはスクリーンを15枚持つシネコンがある。
 映画デートがミユの希望だった。
 流石に夏休みとあってかなりの混み具合だったが何とか2時間後上映のチケットを入手した。
 食事をしたりゲームセンターで遊んだりしている内にアッと言う間に開場時間になる。
 大きなポップコーンとジュースを買い薄暗い場内に入り最後列の右角の席に着く。あまり良くないポジションだがここしか無かったのだから仕方がない。
 だが、ここにはここにの利点がある。
 ミユを一番端の席に座らせる。
 こうすればミユの横に座るのは俺だけだ。
 我ながら子供じみた独占欲だと思う。
 だが、俺以外の男がミユの横に座りミユの薫りや体温を感じる等と思うとどうにも我慢出来なくなる。
 こういう過度の執着束縛は「重たい」と女に嫌われるそうだが溢れる感情は抑制のしようがない。
 これがエスカレートするとDV彼氏やらストーカーになるのかもしれない。
 そんな不確定な未来よりも大切なのは今現在だ。
 俺の横でミユが楽しそうに笑いながらポップコーンを摘まみジュースを啜っている。
 それだけで幸せだ。
 やがて、長ったらしい予告編やらマナー喚起映像の後映画が始まる。
 これは芸能界に疎い俺でも知ってる話題作だ。
 ジャンル的には青春恋愛物とでもいうのだろうか?
 素行の悪い少年と上流社会の少女のラブロマンス。
 人気の要因は主人公を美少年だらけで有名なジャングル事務所の若手トップが、ヒロインを清純派アイドルが演じ、劇中にこの二人による濃厚なラブシーンがある事だった
 
 
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