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ウンディーネの泉
第5章 ピクニック
 その日の夜。
 知らない番号から電話がかかってきた。
 「私、長内深雪の母です。」
 話があるから明日来て欲しいと言われるままに長内家を尋ねて今に至る。
 昨日別れて以来ミユとは話が出来ていない。
 いったい何をミユから聞いたのだろう?
 まさかとは思うがセックスした事がバレた?
 最悪の想像が頭を占める。
 コンコンコン。
 軽いノックの音に跳ね上がる様に立ち上がる。
 手に紅茶の入ったカップの乗ったお盆を持って入って来たのはミユより少しだけ背の高い、成人としては小柄で童顔の女性だった。
 これがお母さん?もしかしたらお姉さんかもしれない。
 なんと声をかけるべきかとモゴモゴしている俺の前にカップを置くと手で着座を勧めてから向かいに座る。
 変だな?どこかで見覚えが有る気がする。
 まあ、ミユの血縁なんだから面影が似ているのは当たり前だからそのせいか?
 「お久し振り。十君。」
 へ?
 「え、え~っと?」
 「忘れちゃった?ミホよ。長沼三穂。」
 「・・・・・・長沼って附属中学に行った長沼?」
 小学5、6年生の時に同級生だった優等生?
 「そうよ。8月14日生まれの十一四君。」
 
 驚いた。
 本当に腰が抜ける程驚いた。
 まさかミユの母親がかつての同級生とは。
 「昨日ミユからプールで知り合ったお兄さんに宿題みてもらってご飯ご馳走になったって聞いてね。」
 よかった。話したのはその辺りだけか。
 「変な人だったら困るから名前を訊いたら十君だっていうじゃない。」
 ごめんなさい。ミユにいけない事教えた変な人です。
 腹の中で詫びながら愛想笑いを浮かべる。
 「今、十君何してるの?」
 身辺調査か?
 「宝くじで大儲けしてね。マンション一棟建ててその家賃収入で悠々自適に暮らしてるよ。」
 細かい事を言えば紆余曲折あるのだが要約すればそういう事だ。
 「で?今日はどういう用なのかな?」
 ミユの事で後ろ暗い俺は思わず早口になる。
 「それなんだけど十君に時間が有るならミユの家庭教師してくれない?」
 か、家庭教師?
 「夏休みの間だけでもいいの。ミユね、カズ兄ちゃん教え方上手い。勉強が楽しいってね嬉しそうに言うのよ。」
 ベッドの上の勉強なら上手に楽しく教えてるけど。
 「どうかしら?」
 どうかしら?ってそりゃ吝かではないが。
 
 
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