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熱帯夜に溺れる
第6章 泳げない魚たち
 純の上に跨がって腰をグラインドし始めた莉子は円を描くようにゆっくりと腰を前後に揺らした。奥の気持ちの良いところにペニスが当たって、淡紅色の唇から甘い声が漏れる。

「……アンッ……ハァン……アッ!」

 動きの最中に繋いだ純の手はとても熱かった。彼の手をぎゅっと握って、彼女は膣の奥に肥大したペニスを擦りつける。

 こうして男の上で腰を振っていても20代の頃の腹部はぺたんとして平らだった。30代を迎えた今はどれだけ運動をして引き締めに励んでも、少しだけ下腹部についた余分な脂肪が乗ってしまう。

 体型は一般的な30代女性の平均値よりは細いと自負している。ウエストのサイズも58センチから60センチの間を維持していた。
 美容業界に携わる者としては見た目には気を抜けない。

 髪はぱさついてボサボサ、下手なメイクとたるんだ身体のネイリストに爪を可愛くしてくださいと頼む客なんて、ほとんどいないだろう。この業界では技術者の見た目の印象と加えて話術も売り上げに繋がる。
 腕が良ければそれでいいだけの世界ではないのが、美容業界だ。

 1ヶ月前に別れた元彼の浮気相手は10歳下の大学生だった。莉子が知らない間にインスタグラムを介して知り合ったふたりは、ゴールデンウィークには沖縄に旅行へ行っていた。莉子には友達との旅行だと嘘までついて。

 莉子は元彼のインスタグラムのフォロワー欄で浮気相手の女のアカウントを見つけてしまった。
 ネイリストの職業柄、20代世代の流行は心得ている。浮気相手の女はよく言えば流行に敏感、悪く言えば流行に踊らされて個性がない。
 渋谷や新宿に行けば似た容姿の女に10人は出くわす、そんなどこにでもいる普遍的な女だった。

 女のインスタグラムには沖縄旅行で撮られたと思われる写真が複数投稿されていた。その中には水着姿の写真もあったが、肉感を感じさせない平べったい腹が何よりも莉子の心をざわつかせた。

 元彼はある時期を境に対面座位や騎乗位のたびに莉子の下腹の脂肪をからかうようになった。
 その口振りから誰と比較しているのかと思っていたが、要するに比較対象はあの大学生だ。

 体型のからかいが始まったのも莉子とのセックスがご無沙汰になり始めたのも、4月付近。浮気相手との沖縄旅行がゴールデンウィーク。
 なんとわかりやすい浮気の露呈だろう。
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