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熱帯夜に溺れる
第3章 熱帯夜に溺れる
 メンバーの名前入りラバーバンドは、莉子はベースとサブボーカル担当のSEIYAの名前入りラバーバンドを、杏奈はボーカル担当のKAITOの名前入りラバーバンドを選んでいた。
 莉子のセレクトを一瞥した杏奈は含み笑いをする。

「やっぱり莉子はSEIYAのヤツを買うと思ってた。莉子って本来はSEIYAみたいな見た目のちょっとチャラい系が好みだよね」
「SEIYAはイケメンの最上級で別格だけどね! だけど言われてみればそうかも……。元彼も真面目かチャラいの二択なら間違いなくチャラい方だった」
「世の中、手が早い男ばかりじゃないしさ。しかも竹倉さんは大人の男だよ? あちらの考えに任せてもいいんじゃないかな。両想いにはなったんだから、自然になるようになるって」

 なるように……なるのだろうか。もうすぐ告白されて1ヶ月になる。キスもしないままのプラトニックな関係はいつまで続くのだろう。

「あ、純さんにライブの会場に着いたら写真撮って送る約束してたんだ。杏奈、写真撮ろっ」
「オッケー」

 携帯電話のカメラに向けて、顔を寄せ合った莉子と杏奈は笑顔とピースサインを作る。撮った写真はさっそく純宛のメールに添付して送信した。

 間もなくライブの開場時刻だ。とりあえず今は好きな人が彼氏になった幸せを噛み締めつつ、ようやく会える大好きな芸能人との夢の時間を楽しみたい。

 SEIYAの名前入りラバーバンドを手首につけた莉子とKAITOの名前入りラバーバンドをつけた杏奈は入場用の列に嬉々として並ぶ。

 純からのメールの返信はすぐに届いた。〈写真ありがとう。ライブ楽しんで来てね。〉たったそれだけの、絵文字もないメールの返事が莉子には特別で、とても大切な宝物だった。



※ナゴヤドームは2021年より「バンテリンドーム ナゴヤ」に改名。2021年以前の話の設定のため、表記をナゴヤドームとしています。
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