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熱帯夜に溺れる
第3章 熱帯夜に溺れる

事後の後処理では適温に温めたホットタオルで純が自ら、莉子の身体を隅々まで清めた。
自分でやると莉子は言ったのに、じっとしていてと優しく言われてしまうと断れない。彼に身体を拭かれている時間は情事の最中よりも緊張して恥ずかしくなった。
身体を綺麗にしてシーツを整えたベッドに莉子は寝そべる。純は上半身裸で窓際に座って煙草を吸っていた。
莉子の身体が冷えないように冷房のスイッチは切ってある。わずかに開けた窓から流れ込むぬるい夜風と、扇風機の風が混ざり合った。
情事の後の淫らな熱気のこもる部屋、外は蒸し暑い熱帯夜。静かな住宅街では音は何も聞こえない。
天井の丸型蛍光灯の明かりも今は消えていて、オレンジ色の豆電球が淡く室内を照らしていた。
薄闇に浮かぶのは煙草を吸う彼のけだるげな横顔。
射精後の男は基本的に無口だ。世に言うこれが賢者タイムと呼ばれる現象だろう。
純も例に洩《も》れず 、甘えん坊タイムが終わった後はずっと無口だった。莉子の身体を拭いている時も口数は少なかった。
そうして無言で煙草をくわえているとあっという間に純は年上の男に戻ってしまう。
数分前まで莉子の胸に埋もれて甘えていた男とは別人のようで、男は不思議だと思いながら、彼女は下腹部と下半身の痛みに顔を歪めた。
行為自体は初めてではないが、終わった後は自分の身体が自分のものではなくなってしまったかのように子宮や腰、身体の細部が痛くなる。愛された幸せの痛みだと思っても、身体のだるさは誤魔化せない。
自分でやると莉子は言ったのに、じっとしていてと優しく言われてしまうと断れない。彼に身体を拭かれている時間は情事の最中よりも緊張して恥ずかしくなった。
身体を綺麗にしてシーツを整えたベッドに莉子は寝そべる。純は上半身裸で窓際に座って煙草を吸っていた。
莉子の身体が冷えないように冷房のスイッチは切ってある。わずかに開けた窓から流れ込むぬるい夜風と、扇風機の風が混ざり合った。
情事の後の淫らな熱気のこもる部屋、外は蒸し暑い熱帯夜。静かな住宅街では音は何も聞こえない。
天井の丸型蛍光灯の明かりも今は消えていて、オレンジ色の豆電球が淡く室内を照らしていた。
薄闇に浮かぶのは煙草を吸う彼のけだるげな横顔。
射精後の男は基本的に無口だ。世に言うこれが賢者タイムと呼ばれる現象だろう。
純も例に洩《も》れず 、甘えん坊タイムが終わった後はずっと無口だった。莉子の身体を拭いている時も口数は少なかった。
そうして無言で煙草をくわえているとあっという間に純は年上の男に戻ってしまう。
数分前まで莉子の胸に埋もれて甘えていた男とは別人のようで、男は不思議だと思いながら、彼女は下腹部と下半身の痛みに顔を歪めた。
行為自体は初めてではないが、終わった後は自分の身体が自分のものではなくなってしまったかのように子宮や腰、身体の細部が痛くなる。愛された幸せの痛みだと思っても、身体のだるさは誤魔化せない。

