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熱帯夜に溺れる
第4章 酔芙蓉の吐息
 コスモスの花言葉は色によって様々だ。その可憐な花の名を聞いて誰もが真っ先に思い浮かべるピンク色のコスモスの花言葉は「乙女の純潔」。
 乙女という年齢設定がどの辺りを示すかは個人の価値観によるだろう。

 白色は「優美」「純潔」……またしても純潔ときた。コスモスは処女が好きらしい。まるで一角獣だ。

 赤のコスモスの花言葉は「乙女の愛情」、だから乙女とは何歳を指すのか、莉子は苦笑せずにはいられなかった。

 黄色は「自然美」と「幼い恋心」らしいが、実は黄色のコスモスは品種改良で生まれた色だ。
 人工的に作られたわりには与えられた花言葉が自然美だなんて、花言葉を考えた人間の意図がわからない。
 もうひとつの「幼い恋心」については、恋をするにはまだ精神が幼かったのか、恋にも熟していない淡い想いを意味するのか、解釈が難しい。

 花弁を茶色く染めるチョコレートコスモスの花言葉は「恋の思い出」と「移り変わらぬ気持ち」だった。この花言葉は乙女を連呼するコスモスの花言葉で唯一の大人向けに思う。

(恋の思い出と移り変わらぬ気持ち……か。この花言葉が一番大人の恋を連想させるよね)

 夏の空気と秋の空気が混ざる晴天の下、莉子の目の前には「乙女の純潔」と「乙女の愛情」の色を宿したコスモスが風に揺れていた。
 9月の三連休の中日、見頃にはまだ早いがフラワーパーク内には至るところにコスモスの花園が造られている。

 三連休初日の昨日は純の勤務終わりに駅の改札前で待ち合わせた。名古屋駅まで電車で向かって夜は名古屋のシティホテルに一泊。
 ホテルの部屋の窓からは綺麗な都会の夜景を堪能できて、この一夜だけでも莉子は大満足だった。

 今日の移動には電車とレンタカーを使い、昼前には旅行の目玉であるフラワーパークに到着できた。
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