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熱帯夜に溺れる
第4章 酔芙蓉の吐息
 舌先が鎖骨を通過して、胸の谷間に到達した。

「あ、やぁんっ! アッ……!」

 飴玉を舐めるように舌で乳首を転がされたかと思えば、今度はいやらしい音を立ててしゃぶられる。
 人は視覚が封じられると代わりに聴覚が鋭くなるらしい。チュパチュパ……チュウ……、ハァ……ハァア……、乳首を吸う唾液混じりの音や純の息遣いが普段よりも鮮明に聴こえる。

 次にどこに触れられるかわからない。得体の知れない恐怖に紛れる好奇心と、抵抗ができない状態で身体を好き勝手に玩具にされている羞恥心が莉子の興奮を煽り続けた。

 純に両脚を持ち上げられて左右に開かされ、再び蜜壺からクチュクチュ……と蜜の音が漏れ出した。蜜壺の奥に指の動きを感じて、先ほどいじめ抜かれたクリトリスはまた純の唇に挟まれた。

「ハァン……、ァンッ」
「今日の莉子はどこもかしこも甘くて美味しいね。それにとても綺麗だよ」

 今の自分の状況を莉子は脳裏に描いた。浴衣は袖を通したままでも裸同然の状態で両手は縛られ、両目は目隠し、だらしなく股を開き、純に陰部を舐められている。

(今の私ってとってもエロい……。なんてエッチな……)

 卑猥な自分の姿を想像してしまえば、とろりとろりと、蜜が吹き出してきた。ジュルル……と蜜を吸う音の後、やや間があった。

 鋭敏になった聴覚で聴き取れた物音はビニールが破れる音。これはコンドームの袋の開封の音だ。
 そのうちに指や唇とは違う感触が蜜口にあてがわれ、心が期待で疼く。

 無言のペニスがグチャグチャの蜜壺の中に押し入ってきた。純の荒い吐息が身体の真上で聞こえ、言葉もなく律動が刻まれ出した。
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