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熱帯夜に溺れる
第4章 酔芙蓉の吐息
 拘束と目隠しの莉子は純にされるがままだ。いつもよりも粗っぽい律動が逆に莉子の奥のイイトコロを甘く甘く突いてくる。

「ァア……、すごい……アッ、いつもより……感じる……アンッ」
「ヤバい……莉子のナカ、締まってて、めちゃくちゃ気持ちいいよ……」

 淫れて感じて、ふたつの腰の動きがシンクロする。鼻先に吐息を感じた瞬間、一気に唇を奪われていた。

「んっ、んんっ……チュ、クチュゥ……純……さん……もう……ほどいてぇ」

 キスの合間に漏れた懇願に純が優しく笑う気配がした。

「目隠し嫌になった?」
「そうじゃない……けど……アッ、ン、……イク時は純さんの顔が見たいし……ぎゅっとしたい……」
「そんなに可愛いこと言うなよ……」

 すぐに両手首の拘束が解かれた。自由になった両手を彷徨わせると彼の手が莉子の手を捕まえてくれる。

「待って。目隠しも取ってあげるからね」

 穏やかな純の口調の端々に熱っぽさが孕む。きっともう、莉子も純も限界が近い。
 視界を覆う暗闇が晴れる。そっと目を開けて真っ先に飛び込んできた光景は愛する男の煩悩に満ちた顔だった。

 律動が加速する。淡色の光を纏ってゆらゆら揺らめくふたつの人影は折り重なり、ふたつの快楽はひとつの快楽に、弾けて、沈んだ。
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