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満員電車
第8章 理想と現実
私は見ず知らずの人に恋してました。
きっと吊り橋効果のようなもので「ワクワク」や「ドキドキ」を一緒に共感してるから〜恋ではないのも分かってました。

今朝は遂に彼を確認しようと決心して電車へ乗り込みました。
例え彼がどんな容姿をしていてもこの関係を続けたいと思ってましたが、反面凄く不安でした。
「どんな人なのかな」「かっこよいといいな」「おじいちゃんだったら」など考えるとキリがありません。
いつもと違う緊張感の中、電車に乗ると彼の手が伸びて来たので私は彼の手を握り振り返りました。

そこには30代前半くらいのスラットしたスーツ姿の男性がビックリした様子で私を見てました。
ガッシリとした身体で鋭い目付き
私は凄く恥ずかしくなり思わず下を向いてしまったけれど手は握ったままでした。
彼はそのまま後ろから私を抱きしめるように引き寄せてくれました。

私は心臓が激しく鼓動して彼にも聞こえてしまいそうなくらいでした。
下車する駅に着く時に彼が初めて「また明日」と声を掛けてくれました。
私は黙って頷くと電車を降りてホームを歩いてました。

走り去る電車を見上げると彼がドア越しに私を見てました。
また急に恥ずかしくなり頭を少し下げて挨拶するとそのまま電車は遠ざかり彼は見えなくなりました。

まだ鼓動ドキドキして今にも出て来そうなくらい.........。
今日は触ってもらえなかったけど、いつもよりも身体が熱くなり火照ってました。

とても痴漢なんかしないような大人しそうな人で、見た目も落ち着いた様子の爽やかな男性。
きっと恋人も居そうな素敵な人でした。

私はパートに向かいながら、あれこれと一人で自問自答してました。
そして彼からの「また明日」の一言が耳に残り、それだけで期待と想像でマ〇コはびちゃびちゃに濡れてました。

「早く会いたい」ただそれだけでした。

〜理想と現実〜
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