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木の実を集めて君にあげる
第2章 僕の暗黒時代
大学は色々なヤツが居た。
法学部は男子が殆どで、
数少ない女子は真面目そうで地味なコしか居ないようだった。

だからということなのか、
サークルに入ったりして、
他の学部や大学の女子と付き合うヤツも多くて、
コンパとかサークルへの勧誘が多くて、
ちょっとうんざりしていた。


何しろ、
最短で司法試験に合格することが、
瑞樹ちゃんへの第一歩と思っていたからだ。


それで、車通学することにした。
そうすれば、飲み会も簡単に断れるし、
サークル勧誘も「駐車場の時間が…」とか言えば断りやすかった。

我が家には3人、弁護士が居るから、
試験勉強のことは訊きやすかった。

昔ながらの大学内の司法試験サークル、
独習、
司法試験予備校と、
選択肢はいくつかあった。


取り敢えず1年のうちは、
単位をなるべく稼ぐことと、
授業がない合間は、
主要科目の授業に潜り込んで聴いておくことだけやってみればと下の兄貴から言われた。

名物教授、
スタンダードなことを教える教授、
司法試験に関係している教授など、
兄貴は具体的にアドバイスしてくれたから、
ほぼ毎日、大学の授業をびっしり受けることになった。


瑞樹ちゃんに逢いたい。
でも、今はまだ、
肩を並べることも出来ない。


ちょっと意固地になっていたかもしれないけど、
物凄く集中して、
勉強ばかりしていた。


そして、相変わらず、
瑞樹ちゃんを思い浮かべて自分で慰めるだけの、
全くモテない男子だった。



高橋も、あんまり優秀ではないらしい私立も受かっていたけど、
家から通える市立大学の医学部に通っていた。

家もそこそこ近かったから、
日曜日にごく稀にドライブに行くこともあった。

相変わらずモテているみたいだったけど、
「あんまりこれといった女子が居なくてさ」とぼやいていた。


医学部だって言うと、
目の色が変わってグイグイくる女子ばかりで、
うんざりしてるみたいだった。


「悠介は、相変わらず、
瑞樹ちゃん一筋なんだ。
連絡とか、取れば良いのに」と言われたけど、
とてもそんなの、無理だと思っていた。
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