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木の実を集めて君にあげる
第5章 ドライバー爆誕
その後、本当にLINEは既読にならないし、
携帯も電源が切られてるようで、
連絡がつかなかった。


1週間したところで、
思い切って紘子ちゃんに電話しようとしたら、
逆に紘子ちゃんから珍しく電話が来た。

元気で明るい紘子ちゃんが物凄く静かな口調で思い掛けないことを言った。


「瑞樹さん、色々あって、
実家に連れ戻されたの。
携帯も没収されてるから、
私も連絡取れなくて、
さっき、実家に顔を見に行ったけど、
見てられなくて…」と泣いている。


「どうしたの?
何があったの?
事故とか、まさか、病気とか?
瑞樹ちゃん、大丈夫なの?」


「来週、実行委員会でみんなで実家に行くって言ったから、
安西くん、連れて行ってね?」と言われた。


「無事なんだよね?」と重ねて訊くと、

「抜け殻みたいだけどね?」と言われて、
心配でその後、眠れなくなってしまった。





翌週、実家に戻っているという紘子ちゃんと高橋を拾って、
逗子の瑞樹ちゃんの実家に行った。

たった2週間会えなかっただけなのに、
瑞樹ちゃんはすっかり痩せちゃって、
顔色も青褪めて白くなっていた。

透明で透けてるんじゃないかと思って、
思わず手を握ってしまった。


小さい手も冷たくなっていた。


一体、何があったんだ?

宇田川亮平のせいなのか?


僕は、
瑞樹ちゃんを心配する気持ちと、
宇田川亮平へのよく判らない怒りと、
何も瑞樹ちゃんにしてあげれない自分の力の無さで、
泣きそうになっていた。
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