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木の実を集めて君にあげる
第1章 桜の樹の下で出逢う
だいぶ幼稚園にもみんなが慣れてきた5月のある日、
自由に園庭で遊んで良い時間のことだった。


ヤンチャな男子が何かの虫を捕まえて、
女子に押し付けるようにしていた。

気が強そうに見えてた女子が泣き出した。
それを見て、男子はふざけて余計に虫をその子にくっつけるようにしていた。


花壇の処に座り込むようにしていた瑞樹ちゃんが急に立ち上がって、
その女子と男子の間に身体を滑り込ませると、
キッパリとした声で、
「嫌がることをしちゃいけないのよ?」と言った。


一瞬、ポカンとした顔をした後、
その男子は虫を瑞樹ちゃんに押し付けた。

僕は慌てて瑞樹ちゃんの処に走ろうとしたら、
瑞樹ちゃんはその虫をそっと手の平に載せて言った。


「ダンゴムシ?
触ったら丸まっちゃうし、
脚とか取れちゃったら可哀想でしょ?」と言って、
スタスタと花壇に戻って、
レンガの陰になってる処にそっと戻していた。


男子は悔しかったのか、
「瑞樹はダンゴムシ!」と囃し立てた。


瑞樹ちゃんは何も聴こえてないみたいに、
ダンゴムシに話し掛けてるみたいだった。


暫くするとその男子の処に戻ると、
「あのね、
ダンゴムシは大丈夫だけど、
毒の虫とか触っちゃダメよ?」と言って、
その子の制服を引っ張って植え込みに行くと、
「これ、毒だから絶対触らないように気をつけてね?
先生に毒の毛虫見つけたって、
お知らせしてきて?」と言った。


男子は何だか判らないまま、
先生の処に走って言って、
伝言を伝えると、
「あら、優くん、
すごいわね?」と褒められていた。


近くに居た瑞樹ちゃんが、
その男子に「ありがとう」と言うと、
その男子は照れ臭そうに走って行ってしまった。


虫を押し付けられていた女子、飯島紘子も、
瑞樹ちゃんの処に来て、
座って2人でクスクス笑っていた。


僕は結局、何も出来なかったけど、
あんなに小さいくせに、
立ち向かっていった瑞稀ちゃんに、
すっかり参ってしまっていた。


その後、例の男子に話し掛けると、
「みーちゃん、凄いな。
虫とか、平気なんだ」と言いながら、
笑っていた。

漢字は違うけど、
同じ「ゆうくん」ってことで、
その男子、高橋優馬とは、卒園後も同じ学校に通う親友同士になった。
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