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木の実を集めて君にあげる
第1章 桜の樹の下で出逢う
運動会やお泊まり会、お遊戯会とかのイベントでも、
なかなか瑞樹ちゃんに話し掛けたりする機会はなかった。

お遊戯会も、身長順で一組になるから、
僕はカカシみたいなデカい女子とダンスをさせられた。


秋に、少し離れた公園に遠足に行った時だった。


瑞樹ちゃんは小さいトートバッグに、
熱心に何かを入れながら1人であちこち歩いているのが見えた。


「何、してるの?」と訊くと、
「ドングリとか松ぼっくり、探してるの」と小さい声で言った。


「一緒に探してあげる」と言って、
2人で黙々と探した。


大きくて丸い、帽子がフサフサのドングリは、
瑞樹ちゃんが物凄く喜んでくれた。

松ぼっくりもなるべく綺麗なヤツを探す。

真っ赤な葉っぱも声を上げて笑顔を見せてくれる。



夢中で下を向きながら木の実を集めていたら、
人の気配がしなくなっていた。


「あ…れ…?」

僕は急に不安な気持ちになってしまう。
カラスの声も怖いし、
森っぽい公園は、少し暗くて寒くなっていた。


「悠介くん、どうしたの?」と言われて、
僕は正直に、
「迷子になったみたい」と答えると、
少し不安そうな顔をした。


「大丈夫だよ。
多分、先生が探してくれるよ?」と言いながら、
泣きそうになる。


そうしたら、瑞樹ちゃんは、
「あそこのお日様が当たってる処に座りましょう?」と言って、
僕の手を握ってくれる。

そして、2枚ハンカチを出してくれて、
2人でそこに座って、
ポケットからキャラメルを出してくれた。


「これが舐め終わる前に、
先生、来ると良いね」と言って、
手を握ってくれるけど、
瑞樹ちゃんの手も震えていた。


情けないことに、僕は泣いてしまっていたみたいだった。


それを見て、
瑞樹ちゃんはそっと僕を抱き締めて、
「男の子は泣いちゃダメなのよ?
女の子を守ってくれないと」と言って、
髪を優しく撫でてくれた。


なんか、小さいのにママみたいだと思った。

でも、ママなんかじゃなくて、
瑞樹ちゃんは大好きな女の子だと思って、
思わず瑞樹ちゃんのほっぺを手で包むようにして、
チュッと唇にキスをした。


「やだ。
キスは眠ってる時に王子様がするものなのよ?」と笑って、
僕のことをそっと押した。


少しすると先生の声が聴こえてきて、
僕たちは無事に見つけて貰えた。
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