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木の実を集めて君にあげる
第7章 妊娠したけどあいつは居ない
「瑞樹ちゃん、流産って?」と江川さんが言ったのをぼんやり聴いていた。
正直、何を言ってるのか、理解出来ないほど、
動揺していたんだと思う。


「7月にいつものように瑞樹ちゃんを大学に迎えに行った時、
様子がおかしかったんです。
見ると右手の薬指に見慣れない指輪してるし、
なんか、オトコの匂いがしてるように感じて。
訊いたら宇田川亮平と会って、
ゴムなしでセックスしたって言われました。
今月になって、生理も来てないみたいで、
コーヒー飲もうとして吐きそうになってるのに気付いたから、
滞在していた瑞樹ちゃんの家の別荘から連れ帰ってきて、
あいつの部屋に行ったら、空き家みたいになってて。
瑞樹ちゃん、それで動転しちゃったのか出血して、
病院に連れて行ったら切迫流産しそうになってると言われて、
入院して貰ってるんです」と、頭の中を整理するみたいに説明した。


「瑞樹ちゃん、絶対に赤ちゃん、産みたいって言うし、
宇田川亮平とは連絡つかないから、
取り敢えず病院には、
自分が父親だって言ってあります」と言うと、
少しホッとした。


江川さんは柔らかい顔で、
「僕が父親になるよ」と言った。

「えっ?」

「安西くん、まだ学生でしょ?
みーちゃんと幼馴染なら、19歳の未成年」

「来週には成人しますっ」

「僕なら一応、会社経営者で、
仕事も収入もある。
初婚だし、ちょっと年齢差はあるけど、
みーちゃんのこと、好きだし…」

「瑞樹ちゃん、あいつの子供、
妊娠してるんですよ?」

「ちょうど良いよ。
自分の子供として、大切に育てる。
問題ないよ?」

「ちょうど良いって?」

「ああ。
あんまり言いたくないんだけど、
僕、不能なんだよ」

「えっ?」

「EDってやつ。
おまけに、子種もないから、
結婚して子供欲しかったら、
養子貰うか、人工授精するしかないし。
亮平なら、弟みたいに可愛がってきてたから」

「ダメです。
瑞樹ちゃんは渡せません。
さっき、宇田川亮平も、
僕に瑞樹ちゃんを頼むって言ってたし。
僕、幼稚園の頃から、
ずっと瑞樹ちゃんのこと、好きだったんで、
江川さんには渡しません」と言うと、
「じゃあ、みーちゃんを頼んだよ」と言って、
ガッシリと握手をしてくれた。

江川さんも僕も、涙が止まらなかった。
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