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木の実を集めて君にあげる
第7章 妊娠したけどあいつは居ない
「先月、癌が見つかってね。
会社でいきなり倒れたんだよ。
体力あるうちに手術で取ってしまおうってなった時は、
まさかこんなことになるとは思わなかったよ。
心配させるといけないから、
瑞樹ちゃんにも内緒にしといてくれって言ってた。
盲腸の手術みたいなもんだろうって、笑ってたんだよ。
でも、開けてみたら、
転移が見つかっただけじゃなくて、
それが深く他の部分に絡み合うようになってて、
取り切れないから、
一部は切除したけど、それ以上は無理ってことで、
インオペっていうんだっけ?
そのまま、閉じるしかなかったんだって」


「そんな…」


「体力が落ち過ぎて、
抗がん剤も使えなくて、ほぼ昏睡状態で、
ここに転院したんだよ。
最初から大きい病院だったら、
違ってたのかな?
時々、目を覚ますこともあるけど、
殆ど話も出来ない」


先月って…。
それじゃあ、瑞樹ちゃんと会って、
指輪を渡して、
妊娠させた後ってことなのか。


僕は拳を握り締めて、
歯を食いしばった。


その時、宇田川亮平が微かに動いて目を開けた。


僕は思わず、肩を揺すって泣きながら声を出していた。


「何、やってるんですか?
瑞樹ちゃん、独りにしないでくださいよ。
流産しそうになって、
病院で泣いてるんですよ?
早く元気になってくださいよ?」


酸素マスクを外してくれるような格好をしたので、
そっとマスクをずらすと、
「安西悠介か?
瑞樹を頼む。
俺はもう、ダメみたいなんだ。
みず…き…を…」と言うと、
また、意識が遠のいてしまう。

繋がれてる機械からアラート音が鳴る。

バタバタと看護師が入ってきて、
「外に出てください」と言われて、
病室から追い出されてしまう。


江川さんと2人、
飲み物の自動販売機なんかがある、
テーブルがいくつか並んでる部屋に行って、
向かい合って座って溜息をついた。
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