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木の実を集めて君にあげる
第9章 夜明け
その後、リハビリも続けていたから、
瑞樹ちゃんは少しずつ歩けるようになっていった。

でも、まだ記憶障害があるのか、
いつも物思いに沈んでいるような顔をしていて、
宇田川亮平のことも、
子供のことも、何も言わなかった。


クリスマスは、
一緒にミサに行って、
瑞樹ちゃんのお母様と少し会えて、
食事をした。

とても瑞樹ちゃんのことを心配していて、
でも、まだお父様は頑なに瑞樹ちゃんと僕のことは認められないと言ってるようだった。

その次の日は、僕の家で過ごした。

久々にアメリカから下の兄貴も戻ってきて、
とても賑やかなクリスマスな夜を家族で過ごした。


「階段から落ちて大変だったんだよ」と、
オヤジが下の兄貴に説明して、
瑞樹ちゃんの少食ぶりにみんなで、
「もっと食べないと!」と、肉やポテトを取り分けるので、
瑞樹ちゃんが困った顔をして、
僕が食べることになった。


「学生結婚するのかな?」と下の兄貴に言われて、
「いやいや、頼りなくて向こうのご両親、
許してくれないんじゃないかな?」とオヤジが言う。


「でも、一緒に住んでるんだろう?」と更に訊かれて、
瑞樹ちゃんは僕の顔を見て、
少し困った顔をする。


「逗子から通学だと、
勉強時間が減るからって言われて。
それに、瑞樹ちゃん、まだあんまり歩けないから、
送り迎えしたいってことで、
そうなった」と僕が説明すると、

「ほらほら。
立ち入ったこと、訊かないの!
全く、デリカシーないんだから!」と、
母さんが助け舟を出してくれた。


「お前、本当にずっと、
瑞樹ちゃん、瑞樹ちゃんだったもんな。
想いが通じて良かったな」と、
上の兄貴がしみじみ言う。


「取り敢えず、現役合格な。
瑞樹ちゃんの方が早く合格するかもしれないけど」と、
下の兄貴が笑う。


「合格して、修習生終わったら、
私の事務所に2人で入って欲しいけどな」と、
オヤジまで言う。


本当に、
とにかく少しでも早く合格したいと思いを新たにしながら、
2人でマンションに戻った。
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