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私が小さな男の子を好きになった理由
第7章 ギュッと、しちゃった
地下鉄のエスカレーターを昇りきると、私は目的の場所に向かってヒールの音を立てて小走りになっていた。
待ち合わせの時間まで、それほどの余裕はなかったから。
急ぐ足取りで、私は10年前のことを思い出していた。
※※※※※※※※※※※※※※※
「えっ・・・・?」
驚くヤツの声を、私の胸で押しつぶしていた。
気が付くと可愛いサル顔を、私はギュッと抱きしめていたのだ。
可愛い小さな男の子が愛おしくて、堪らなかったから。
ヤツは戸惑いながらも、私の背中に両腕を廻していた。
温もりが互いの全身を包み、暫らくジッとしていた。
ハッと気づいて身体を放した。
ヤツの目尻に光る涙がいじらしく、また、ギュッとしたくなった。
よく見ると、ヤツの鼻先と頬に絆創膏が。
その訳を聞いて、私は噴き出した。
「昨日、ここで予行演習したんだ・・・。」
「だって、ヘッドスライディングなんか、地面じゃ痛いし、芝生でも結構、擦りむいたし・・・。」
私の胸は、キュンキュンしていた。
同時に脳裏に浮かぶヘラヘラ顔の山田に向かって、拳を握りしめていた。
(お前のせいじゃないぞ、山田っ!)
そして、また、ギュッとしながら心の中で呟いた。
(コイツだから・・・可愛い、コイツだから・・・。)
それ以来。
二人は恋人同士になった。
学校からの帰り道。
一緒に歩く程度の仲だったけど。
私は嬉しかった。
世界中で、一番、幸せだと思ったんだ。
本当に・・・。
待ち合わせの時間まで、それほどの余裕はなかったから。
急ぐ足取りで、私は10年前のことを思い出していた。
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「えっ・・・・?」
驚くヤツの声を、私の胸で押しつぶしていた。
気が付くと可愛いサル顔を、私はギュッと抱きしめていたのだ。
可愛い小さな男の子が愛おしくて、堪らなかったから。
ヤツは戸惑いながらも、私の背中に両腕を廻していた。
温もりが互いの全身を包み、暫らくジッとしていた。
ハッと気づいて身体を放した。
ヤツの目尻に光る涙がいじらしく、また、ギュッとしたくなった。
よく見ると、ヤツの鼻先と頬に絆創膏が。
その訳を聞いて、私は噴き出した。
「昨日、ここで予行演習したんだ・・・。」
「だって、ヘッドスライディングなんか、地面じゃ痛いし、芝生でも結構、擦りむいたし・・・。」
私の胸は、キュンキュンしていた。
同時に脳裏に浮かぶヘラヘラ顔の山田に向かって、拳を握りしめていた。
(お前のせいじゃないぞ、山田っ!)
そして、また、ギュッとしながら心の中で呟いた。
(コイツだから・・・可愛い、コイツだから・・・。)
それ以来。
二人は恋人同士になった。
学校からの帰り道。
一緒に歩く程度の仲だったけど。
私は嬉しかった。
世界中で、一番、幸せだと思ったんだ。
本当に・・・。