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not erotic love stories
第105章 雨の日の体育館で:僕が大きな女の子を好きになった理由
雨が降っている。

比較的、温暖な地域である僕達の中学校は雨が降ると、台風並みの雨粒を校舎に降り注ぐ。
体育館も例外ではなく、当時の安普請の建物はサッシュもイマイチで、何だか水槽の中にでもいるみたいにガラス窓を水没させていた。

それでも雨の影響の無い体育館の中は、ボールの弾む音、キュッキュとシューズが滑る音がこだまして、それなりの喧噪を響かせていた。

そんな中。
ぼそりと、山田の呟きが僕の耳に届いた。

「かーいー(可愛い)なぁ・・・」
2階の手すりにもたれて、ジッと下のフロアを見つめている。

僕の中学校の体育館は二階建て。
半分せりだしたフロアが卓球部のエリア。

山田の口元はニヤケ、自分のアイドルに向けて熱い視線を送っている。
2階のエリアは狭いながらも、我が卓球部の独占できる練習場だ。

背後では、数台の卓球台に白熱したラリーが展開されている。
ハードな練習が繰り返される中、僕達3年生が背中を丸めサボっている。

夏が過ぎ、代替わりしたクラブは2年生が主体。
3年生は半ば隠居状態の、お邪魔虫なのだ。

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