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第137章 生徒会：初めてのバレンタインチョコ

ガリ版刷りされた用紙が配られ、僕と石井さんは右手と左手で持ちながら内容を確認していた。
くっつきそうなオデコと、甘いシャンプーの香りが僕の胸をときめかせた。

石井さんはクールな女子で、恋愛対象になるなんて今まで意識もしなかったのだけど。
今年、クラス委員になって二人で生徒会やクラスの行事について、よく一緒に過ごすようになった。

あの頃の中学二年生、14歳の男の子なんて。
恋愛など、アニメやドラマの中でしか知らない。

それも大人（僕にとっては高校生も大人だった）が交わす会話なんて、暗号のようにしか聞こえなかった。
だから、石井さんの二重瞼が切ないほど綺麗だなんて、少年のボキャブラリーには存在しなかった。