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雨の降る夜は傍にいて…
第3章 9月の雨(September Rain)
 35 あれから…②

 俺は完全に金銭的な欲望、煩悩は失くなっていたのであった。
 だから、相続した遺産の値上げ交渉もしないし、相続税対策等もせずに、さっさと終わらせようと整理をしていただけなのである。

 だが、なぜか、神さまが意地悪をしてきた、いや、俺をからかってきたのだろうと思えたのだ…

 そしてそんな急激な成金の匂いがプンプンとたのだろう、今度は、銀行や、証券会社、投資系の業者が日々、日参してきたのである。

 預金をお願いします…

 FX投資しませんか…

 仮想通貨に…

 金売買を…

 株式投資を…

 その他諸々、相当の業者が日参してきていた。

 だがすっかり金銭的な欲望からは既に達観していた俺は、一刻も早く整理をして帰り、とりあえずのんびりとバー経営をしながら暮らせていけるお金が残ればよい…
 と、そう考えていたのである。

 そしてまずは、半分近くの金額の相続税を払い、残りの金額を逆算し、それを三つの銀行に定期預金として分配をし、残りをそれら日参してきていた業者達に適当にあしらいながら適当に投資を任せたのだ。

 すると無欲の悪戯なのか、特に仮想通貨と、アメリカ大統領選挙絡みの煽りを受けて金売買投資が大化けしてしまったのである。

 そしてダメ押しである…

 きっと神さまの悪戯なのであろう…

 なんとロト宝くじまでもが当たってしまったのだ。
 そして結局は、相続税を払ったのにも関わらずに、大化けした遺産や、投資、そして宝くじを、合わせると当初の約10億円近くに戻ったのであった。

 無欲とは恐ろしく、皮肉なモンであったのだ。
 いや、そう考える事にしたのである、そして、

 もういいや、このお金で遊んで暮らしていこう…

 そう開き直ったのである。

 そして開き直ったからにはそのお金を大切に使うと決めたのだ。
 まずは顧問の弁護士を雇い入れ、お金の管理を任せた。

 そして自分自身は東京に行き、当面ホテル暮らしをする事にしたのだ。
 この長期のホテルステイは、若い昔の憧れでもあったのである。
 そして好きな事をする。

 美食を尽くし…

 美味い酒を堪能し…

 良い女を抱く…

 夢の放蕩生活を始めたのである。




「す、すご…
 じゃあ、わたしの事なんか忘れちゃう訳だ」

 わたしは思わず、そう呟いたのだ…





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