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雨の降る夜は傍にいて…
第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)
 5 彩ちゃん劇場 ④

 ほとんどの男達がセックスの後に訊いてくる。

 なぁ、どうだった…と。

 このどうだったは

 感じたのか…

 過去の男と比べてよかったのか…

 オレのサイズはどうだ…

 大きいのか…

 小さいのか…

 大きい、小さいは、男達にとっては物凄いコンプレックスなのだ、と、わたしは思うのだ。
 だが、女にとっては極端なサイズ以外は大した問題ではないのである。 

 そして過去に経験した何人かの大きめな男達は、そんな事はほぼ訊いてはこない、それは、彼らは自信があるからである。
 
 しかし普通サイズ、それ以下のサイズの男達は、ほぼ、ほとんどが訊いてくるのだ。

 だが仮に、そこで、この前の方が大きかった…なんて言ってしまったら大変であった。

 その男のプライドが折れるか、ズタボロになってしまうのかが、目に見てもわかるのである。

 だから、わたしは
『よかったわ…』
 と、必ず曖昧な意味でそう応えることにしているのであった…


『よかったわ…』

 何がよかったのか…

 感じさせたのか…

 大きさなのか…

 わざと曖昧に応えるのである。

 そしてこんな専務みたいな

 今イチ自分で口説ききれない…

 口説き落とす勇気がなく、押し切れない…

 こんな感じの男には

 さり気なくわたし自身からアピールし、流れを誘導してやり、褒めてやる…

 これで、そんな男達は皆、次回から積極的に変わってくるのだ。

 これがわたしの経験上のコツであり、戦略であり、得意技である…

 そして次回からはもっとわたし自身にも、コントロールし易くなるのだ。

 この専務もそんなタイプの男といえ、また、ある意味、既に、わたしの手の平の上で踊らされていると云えるのである…


 とりあえずは、今夜は、気持ちよく抱かせるのだ。

 これがわたしの、次へと繋がるテクニックなのである…






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