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雨の降る夜は傍にいて…
第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)
 11 彩ちゃん劇場 ⑩

 そしてわたしとまあくんは、伊勢佐木町の高級ブティック等もある、伊勢佐木モールに行ったのです。
 
「ええっ、こんな高いのにぃいいのぉ…」
 某高級ブランドショップで、自分ではとても買えないようなワンピースとハイヒールを買って貰ったのである。

「いいよ、彩ちゃんにとても似合うからさ…
 あ、カードで…」
 もちろんカードは世界中で買い物が出来るプラチナ色のクレジットカードであった。

 や、やばいかも、お金に惚れちゃうかもぉ…

 確かまあくんの会社は建材業で、自社の採掘場、自社のダンプ、トラック等を持つ、比較的優良な建材業社だよねぇ…

 と、わたしの脳裏で、ウチの会社の取引実績を瞬時に思い浮かべる。

 うん、優良企業だわ…

『彩ちゃんの好きにしていいわよ…』
 みっき社長の言葉が浮かんでくる。

『確か、少し前に離婚したって…』
 
 そうか、独身か、不倫ではない…

 わたしの脳裏の電卓が、懸命に色々な計算をしていく。

 本当にわたしの好きにしていいのか…

 みっき社長は、勿体なくないのかな…

 確かまあくんは45歳と言っていた、だが、見た目からは40ちょうどな感じがするし、顔も、スタイルも、雰囲気も悪くない。

 まあ、少し遊び人の匂いがするが…

 だが、わたし的には問題はなかった。

 どうせ離婚も、女関係が原因なんだろう…

 だが、遊び相手としては申し分ないのである。

 いいクルマ…

 高級嗜好…

 お金の匂い…

 今のわたしには堪らない魅力であるのだ。
 
 今は彼に本気になっても構わないか…

 どうせすぐに飽きてしまうのだから…

 そうなのだ、わたしは基本的に飽き性なのである。
 どんなに最初は夢中になっても、だいたい約三ヶ月くらいで、突然に、何の前触れもなく、スッと波が引いていくように飽きてしまうのであったのだ。
 だから過去にかなりの男遍歴があるのだが、ほぼ一年間は持ったためしがなかったのであった。

 唯一結婚した相手でさえ、一生添い遂げる想いを自分に誓ったのだが、約半年の結婚生活で限界であったのだ。

 だが、今は少し変わったのである…




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