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雨の降る夜は傍にいて…
第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)
 12 彩ちゃん劇場 ⑪

 だが、今は少し変わったのである…

 それは…

 損得の計算ができるようになり、我慢する、いや、我慢しながら上手くかわし、そして相手を操り、誘導するというワザを覚えたのだ。

 もっと簡単に云えば、ズルくなり、腹黒くなったという事である…

 自分に得があるならば、例え飽きてしまっても上手くかわし、そしてある程度まで我慢ができるようになったのだ。

 昔は飽きた途端に本当にイヤになって即別れてしまったのだが、最近はすぐに別れるのではなく、ある程度の利用価値があるならばできるだけ我慢をし、繋ぎ、そして我慢の限界まで耐える。
 要はギリギリまで利用する。

 もう若くはないのである、そんなズルさを覚え、上手く男を利用していく…

 そして酸いも甘いも色々な現実も知ったのだ…
 そう考え、実行できるようになったのである。

 だから、今はこのまあくんに夢中になってもいい…

 このお金の魅力には適わない…

 どうせその内すぐに飽きて、計算して付き合うようになってしまうのだから…
 それに今は彼の方がわたしに対して夢中なのである。
 
 だからかまわないのだ…

 わたしはそう自分に言い聞かせ、この流れに逆らわずに流されていこうと思ったのであった。

 世の中は、まずはお金なのだ…

 お金の魅力には適わない…

 一流ホテルのセミスイートルームと、場末的なラブホテル、どっちを選ぶのか?

 答えは言わずもがなであろう…

 わたしは何も間違ってはいないのである。
 世の中で本気できれいごとを言い切れる人は、やはりお金があるのだ、いや、生活になんの不安がない人なのである。
 
 だから、まずはお金の存在価値なのだ…

 お金がなく、生活が不安で堪らない人は本気で綺麗事など言える筈がない。

 もし、言っている輩は、偽善者なのである…

 と、わたしは、わたし自身の恋愛はこんな考えがベースで成り立っているのである。

 そして、わたしはそれでいいと思っているし、そう開き直っている…

 アルバイト生活で日々の生活に苦労している女が、何十万円もするブランドのワンピース等は絶対に、買えないのだ。

 じゃあ、欲しければどうする?

 答えは自ずとわかるのである…


 わたしはこの自分の想い、欲望に、正直に生きているだけなのだ…







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