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雨の降る夜は傍にいて…
第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)
 13 彩ちゃん劇場 ⑫

「うわぁー、素敵ぃ…」
 チェックインをし、セミスウィートルームに入るとわたしは思わず、感嘆の、いや、歓喜、感激の声を上げたのである。

 横浜のこのベイエリアが一望できるコーナー式の両面の壁一面の大きな窓。
 その窓からは、みなとみらいから、横浜港、ベイブリッジ、大黒ふ頭、そしてアクアラインが走り、海の中に浮かぶ『海ほたる』までもが見えるのだ。
 そして更に奥には、離発着をしている羽田空港からの飛行機までもが一望できる。

「夜景は堪らないよ…」

「ええ、そうかもぉ…
 まあくんは何回も、泊まっているからぁ、よく知っているのよねぇ…」
 と、少し、スネた顔をする。

 もちろん、これも演技であるのだ…

「あ、い、いや、そんなことは…」

「うそ…」
 わたしはそう呟き、窓の方を向く。
 すると、当然のように、まあくん、彼は後ろから抱き締めてくるのだ。

「あ…ん、いや…」
 あくまでも、嫉妬にスネた演技をする。

 そうわたしは今、女優なのである…

「あ、彩ちゃん…」
 彼は少し慌てた感じで呟く。

「い、や…」

「そ、そんな、彩ちゃんだけだよ…
 彩ちゃんが…好きなんだ…」
 そう彼は呟きながら、キスをしてくる。

「あ、い、イヤ…」
 そう呟きながらも、わたしは彼の唇を受け入れるのだ。

『彩ちゃんが…好きなんだ…』
 わたしはこう彼に言わせる為の演技をしている女優なのである…

 だが、そんな演技をしている自分に、敢えて酔い痴れていくのである。

 それが更にわたし自身の心を昂ぶらせる、ワザでもあるからなのだ…

 こうして自分の演技に酔い痴れていく、コレが、更に興奮を呼び起こしてくるのであった。

「あん…
 まあくぅん……」

「あ、彩ちゃん…」
 わたし達はそのまま、キングサイズのベッドに倒れ込んでいく。

「あ、んん、あ、ま、まあくん…」
 彼は夢中になってわたしの大きな乳房に服の上からむしゃぶりついてくる。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
 彼はすっかり興奮し切っていた。

「あぁ、彩ちゃん、堪らないよ」
 そしてそのまま、わたしの上半身を露わにし、ブラジャーをかなぐり捨て、Eカップの乳房にむしゃぶりついてきたのである。

「あんっ、あ、ま、ま、あ、くぅん…」

 わたしはワザと甘えた喘ぎ声を上げるのだ…
 




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