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雨の降る夜は傍にいて…
第1章 台風の夜
 14 合格…

 XYZ(エックスワイズィー)…

 それは

 永遠にあなたのもの
 
 と、いうカクテル言葉の意味がある。

 つまり
 ドライマティーニ…
 知的な愛で

 テキーラサンセット…
 わたしを慰めて

 に対して、私は
 XYZ…
 永遠にあなたのもの
 つまりは告白やプロポーズでよく使われるこのカクテル言葉で、彼女の問い掛けに応えた事になるのだ。

 その私のカクテルチョイスに彼女は、やや紅潮した顔になり、ニコリと微笑んできた。

 そして彼女がテキーラサンセットで、私がXYZで、二人で乾杯ポーズを取り、互いに飲んだ。

「ふぅぅ…」
 彼女はため息を漏らし…

「この雨が…」
 そうとだけ呟いた。

 そしてバッグからペンを取り出し、コースターの裏の白い余白に

 5011…

 そうとだけ書き、スッと立ち上がる。

「貴方…合格よ…」

 30分後ね…

 そう、囁いてバーを出ていったのだ。

 そして私はその美しい彼女の後ろ姿を見ながら、ホッと胸を撫で下ろした。

 ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…

 よかった…

 本当に、ついこの前に、たまたま、カクテル言葉を少しだけ読んだのだ…

 たまたまなのだ…

 たまたま、ついこの前に、アメリカの小説家、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説である有名な三部作
『大いなる眠り』(1939)
『さらば愛しき女よ』(1940)
『長いお別れ』(1953)
 を読み、そしてその『長いお別れ』に登場したことで有名になったお酒で、その作品中には登場した名セリフ
「ギムレットには早すぎる」に感銘し、カクテル言葉の意味を調べ、そしてついでに少しだけ他のカクテル言葉を調べただけであったのだ。
 その時に、本当にたまたま、今度バーで女を口説く時に使えそうだ、と、思って少しだけ覚えていただけなのである。


 5011…

「貴方…合格よ…」

 30分後ね…
 
 正に祝杯だ。







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