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第4章 台風12号MUIFA（ムイファ）

　26　ストッキングラブ

　わたしは浩司との９年振りの突然の再会に…

　台風の疼きの欲情の逢瀬に…

　それまでの記憶が吹き飛んでしまったくらいにテンパってしまっていた…

　そんな今のわたしの心境に

　浩司の…

　９年振りの浩司の目は熱過ぎるのである…

　ドキドキドキドキドキドキ…

　胸が張り裂けそうであった。

「あ……」
　わたしは彼に導かれ、ベッドに仰向けになる。
　そして再び、彼はわたしの唇を吸い、舌先を貪り吸ってきていた。
　その熱いキスに、魂までが吸い取られてしまうかの様であったのだ。

　そしてそのキスは、正に、９年間の貯まった想いを、その時間の心の空白を埋めるかの様なキスともいえる…

　心が震え、揺さぶられていたのだ。

　ゆっくりと浩司の手がわたしのカラダをまさぐってきた。
　それも、まるで、９年振りのわたしのカラダを確かめるかのような手の愛撫の感触である。

「あ……」

「………」

　そして浩司は黙ったまま、手でわたしのカラダをまさぐってきていたのだ。
　その手の感触は、まるで昔のわたしと今のわたしを、比較しているかのような手の動きと感触なのである。

　ああ、そんな…

　確か、あの頃とサイズは変わっていないはず…

　ドキドキドキドキドキドキ…

　そんな手の感触に、胸が騒ついてしまう。

「…………」
　そして彼の手が、わたしの捲れたスカートから覗く太腿に触れてきたのだ。

「あんっ…」

「…………」

　わたしはそんな彼の太腿に触れる手の感触に、ビクッと身悶えをしてしまう。

　ストッキングのナイロン繊維が、彼の手の熱さを伝えてくる。
　そしてそんな彼の手の感触に、わたしの脚が濡れてくるのを自覚してきたのだ。

　ああ、この感じ、久しぶりだわぁ…

　脚が、ストッキングが、熱く、そして快感を感じてくる。

　そう、この脚の、いや、ストッキングを通した愛撫の快感を、昔、彼、浩司によって脳裏に植え付けられたのであったのだ。

　ストッキングラブの快感を、浩司に植え付けられたのだ…

　ストッキングラブ…

　それは、わたしの当時の性の嗜好を、思考を、劇的に変え、衝撃を与えた快感である。

「あっ、んん…」

　すると不意にわたしの脚元に顔を寄せ、なんといきなり爪先を、ストッキングを穿いた爪先を舐めてきたのだ…