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雨の降る夜は傍にいて…
第1章 台風の夜
 16 30分後…

 私は彼女がバーを去った後、急ぎ自分の部屋に戻り、慌ててシャワーを浴びる。

 30分後…
 それはつまりは彼女がシャワーを浴びる時間、という事なのであろう。

 だから私も自分の部屋で慌ててシャワーを浴び、身を清めていく。
 そしてシャワーを浴びながら、彼女の少し翳のある美しい、魅惑的な顔を想い浮かべる、と、自らの怒張がギンキンに勃ってきてしまった。

 ああ、ヤバい、こんなに勃っちまった…

 だが、今、ここで、自ら扱き、スッキリするわけにはいかないのである。

 我慢、ガマン、がまん…だ。

 あと少しで、あの美しい彼女を抱ける、いや、抱ける筈なのだ。

 まさか…

 まさか、部屋に行ったら恐いお兄さんが出てきて…

 ああっ、嫌、そんな筈はない…

 いや、ない筈だ…

 そんな事をする気ならばもっと簡単に誘ってくる筈である。
 さっきのあの、難しい、そう、まるで1浪した大学受験の如きの難しいカクテル言葉のやり取り等はしない筈なのである。

 あれは、私の感性を見抜く為の試験だったのだ…

 それに私は堂々と合格したのである。
 その証拠に、彼女は、去り際に…
『貴方、合格よ…』
 と、云ってくれたではないか。

 だが、しかし、あのカクテル言葉の掛け合いを思い返すと、ことはそう単純ではない、つまりはセックス目的だけではないと、考えられる…

 よく考えろ…

 よぉく考えるんだ…


 あっ、そういえば、やたらと雨を気にしていたような…

 そうか雨…

 雨なのかもしれない…

 何しろ今夜からは超大型台風が接近、直撃する予定なのである。

 そうだ、台風か、嵐のような大雨だ…

 そんな事を考えていたら、いつの間にかにギンキンの昂ぶりは落ち着いていた。

 よし、間もなく約束の30分後だ…






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