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雨の降る夜は傍にいて…
第1章 台風の夜
 17 好み…

 ピンポン…

 ほぼぴったり30分後、わたしの部屋の呼び鈴が鳴った。
 
 時間、ぴったりだ…
 その几帳面さがわたしの心をくすぐってくる。

 果たして彼は…

 果たして彼はどんな…

 わたしはシャワーを浴びながら、久しぶりのセックスの期待感に、少しワクワク感を感じでいたのだ。

 50代半ば…

 見た目は悪くはない…

 そしてあのバーでのカクテル言葉に気付き、さっとわたしとの言葉の掛け合いの意味も理解するあの機転と、回転の速さ…

 体躯も締まっていた、そしてやや日焼けもしている、おそらく定期的に運動をしている筈である…

 またなにより、わたしの心をくすぐってくるのは左手薬指の既婚者の証であった。
 それは彼をサッと一瞥した時に確認済みであったのだ。

 スマートな、知的で、遊び心のある、ゆとりある既婚者の男…

 わたしの好みはそんな男なのである。
 それはわたしの過去から、男遍歴を積み重ねて気付いた結果の好みなのであったのだ。

 それらの男達は皆、セックスが上手であり、また、その知的さが、わたしの心を慰めてくれてきたのである。

 さあ、この男はどうだろうか…


 ガチャリ…
 わたしはドアのロックを外す。

 すると男はスーっとドアを開け、その目がわたしの姿を一瞬で一瞥してくるようである。

「どうぞ…」
 わたしはそう呟き、踵を返し、ベッドルームを向いた。

「あっ…」
 すると男は後ろから、スッとわたしを軽く抱き締めてきたのだ。
 そしてまだ、やや濡れた洗い髪の上から、うなじに掛けて顔を寄せてきた。

 その仕草が実にスムーズであった。

 うん、合格かも…

 リキまず、スムーズに、軽やかに、さりげなく抱きしめてくる。

 そのリズムも、物静かなスムーズさも、そして彼からほのかに漂ってくる、シャワーを浴びた後のこの香りと、ぬくもりも…
 わたしの心の琴線を弾いてきていた。

 この30分間にサッとシャワーを浴びて来訪してきた…
 この気遣いが、この清潔感が、わたしには大切なのである。

 合格よ…



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