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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
3 ヤケ酒
ただ無性に強いお酒が飲みたかった…
そして、無念の想いを抑え切れなくなっていたのだ…
「すいません、もう一杯…」
わたしはカウンター内の女性バーテンダーに、ドライマティーニの三杯目のお代わりを注文する。
今日の試合の悔しさが、己の酔いを自覚させなかった、だが、わたしはお酒はそんなに強くはなかった。
自覚はないのだが、確実に酔ってきてはいたのである。
「おや、お姉さん、ヤケ酒かな…」
先程、席を案内してくれた店員、おそらく店長なのだろうか、その男がわたしにそう話しかけてきたのである。
「えっ、いや、違いますよ…」
「そうかなぁ…
大丈夫かなぁ、駆けつけのドライマティーニの三杯はキツくないかなぁ」
「えっ、あ、はい、大丈夫です…」
だが、まだ、この時点では酔いの自覚はなかったのである。
「ま、イヤな事をお酒で紛らわすのも、一つの方法ではあるけどね…」
その店長風の男性はそう云ってきた。
すると、NBAを映しているテレビモニターにふと目を向けると、ちょうどゲームを決定付けた、逆転のスリーポイントシュートの場面をアップでリプレイしていた。
ああ、今日、あのスリーポイントシュートが入っていたならば…
いや、あそこでタイムアウトを取って、一度、流れを止めていたならば…
今日の試合が脳裏に浮かんできていた。
ああ、完全なわたしの采配ミスだ…
選手のみんなに申しわけない…
時間の経過と共に、ますます自虐の想いが湧き起こってきていた。
そして三杯目のドライマティーニを飲み干して、わたしはトイレに行こうと立ち上がった。
あ………
一瞬の内に、目の前が真っ暗になり、地球が一回り、二回りをし、わたしは意識を失いながら、倒れた…らしいのだ。
記憶が無かった…
ただ無性に強いお酒が飲みたかった…
そして、無念の想いを抑え切れなくなっていたのだ…
「すいません、もう一杯…」
わたしはカウンター内の女性バーテンダーに、ドライマティーニの三杯目のお代わりを注文する。
今日の試合の悔しさが、己の酔いを自覚させなかった、だが、わたしはお酒はそんなに強くはなかった。
自覚はないのだが、確実に酔ってきてはいたのである。
「おや、お姉さん、ヤケ酒かな…」
先程、席を案内してくれた店員、おそらく店長なのだろうか、その男がわたしにそう話しかけてきたのである。
「えっ、いや、違いますよ…」
「そうかなぁ…
大丈夫かなぁ、駆けつけのドライマティーニの三杯はキツくないかなぁ」
「えっ、あ、はい、大丈夫です…」
だが、まだ、この時点では酔いの自覚はなかったのである。
「ま、イヤな事をお酒で紛らわすのも、一つの方法ではあるけどね…」
その店長風の男性はそう云ってきた。
すると、NBAを映しているテレビモニターにふと目を向けると、ちょうどゲームを決定付けた、逆転のスリーポイントシュートの場面をアップでリプレイしていた。
ああ、今日、あのスリーポイントシュートが入っていたならば…
いや、あそこでタイムアウトを取って、一度、流れを止めていたならば…
今日の試合が脳裏に浮かんできていた。
ああ、完全なわたしの采配ミスだ…
選手のみんなに申しわけない…
時間の経過と共に、ますます自虐の想いが湧き起こってきていた。
そして三杯目のドライマティーニを飲み干して、わたしはトイレに行こうと立ち上がった。
あ………
一瞬の内に、目の前が真っ暗になり、地球が一回り、二回りをし、わたしは意識を失いながら、倒れた…らしいのだ。
記憶が無かった…