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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
 42 不惑な昂ぶり

 ドキドキドキドキ…
 その言葉に胸が高鳴る。

 ザワザワザワザワ…
 心が騒めいてくる。

 ヒリヒリヒリヒリ…
 そしてこの二人の無邪気な明るい笑顔を見ると、背徳感と罪悪感が昂ぶりを見せてきたていた。

 わたしはこの不惑な想いに濡れてしまうのではないのか…
 と、までに興奮していたのである。

 わたしにはこの背徳感と罪悪感が、それほどまでに堪らない刺激であったのだ…

 そしてわたしと奥様と美香ちゃんの3人の会話が弾み、また、食事も進んでいた。

『わたしは先生を尊敬してて…』

『ぜひとも将来は、いや、今でもたまにご指導受けたい、お願いしたいかなぁ…』

『将来は先生みたいな選手になりたいんです…』

『色々アドバイスしてやってください』
 等々、和やかな会話がすすむ。
 そしてこの食事会は終始、奥様主導のもと、和やかに、穏やかに時が進んでいったのであった。

 もちろんわたしも和やかに、穏やかに、笑みを絶やさずに過ごし、本当にこの美香ちゃんの将来が楽しみであり、この奥様の穏やかなゆとりある佇まいと、淀みのない、娘を思う優しい気持ちを感じる時間といえたのである。

 だが…

 その一方、わたしの裏の想いの中では、この二人の純粋さを感じれば感じるほどに、ジリジリと、ヒリヒリと、ザワザワとした背徳感と罪悪感に心を震わせ、揺れ動いていたのである。

 そしてなぜか、子宮の奥からもウズウズと僅かな疼きをも感じてきていたのであった…



「どうもすっかりご馳走になってしまって…」

「いいえ、これからも是非とも娘共々、あっ、お店と夫共々、よろしくお願いします」
 奥様は深々と頭を下げ挨拶をしてきた。

「先生、またねぇ…」
 そして美香ちゃんは目をキラキラと輝かせながら手を振ってくる。

「では失礼します…」
 わたしも深々と頭を下げてお礼の挨拶を返した。

 お店と夫共々…
 奥様は確かにそうも云ってきた。

 ああ、心がヒリヒリと震えてくる…

 そして、ズキズキと疼きも…


「もしもし、ねぇ、今すぐ来て…抱いてよ…」
 わたしは二人と別れた直後に浩司に電話をし、そう告げたのだ。

 既にわたしは、興奮し、疼き昂ぶり、すっかり濡らしていたのである…

 もう我慢できなかった…




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