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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
 75 それから…

 わたしは所属している私立高校の理事長、校長に必死に説得をした。
 そしてその説得により特例中の特例として、毎年、各運動部の二名限定枠のS級特待入学をその五人全員に適用できたのであった。

 なぜか理事長はバスケットボール部には寛大なのである…

 そしてその五人は入学直後から実力を発揮し、そして先輩選手達ともうまく相乗効果を発揮したのである。
 それからの三年間プラス、そしてその後のわたしの退職までの二年間の計約五年間は、わたしの指導歴としても、また、我が高校に於ける女子バスケットボール部の歴史としても、黄金時代を築き上げる事が出来たのである。

 高校バスケットボールは1年間に夏のインターハイと、冬のウインターカップ、そして秋の国体と三大タイトルといわれる年間三回の全国大会が開催されるのだが、浩司の娘、美香の入学の年の夏から、インターハイ、ウインターカップ、国体と5年間連続の、つまり15回連続全国大会出場という結果をもたらしたのであった。

 それは当然、五年間県内無敵ともいえるのである…

 そして、美香が高校三年生時には、インターハイベスト4、ウインターカップベスト4、国体ベスト4とオールベスト4という、我が高校、プラス我が県での過去最高の成績をおさめる事が出来たのと、わたし自身の監督としての価値観と評価が全国的レベルで爆上がりしたのだ。

 ひとえにコレは…

 この成績は…

 全て、彼の娘美香の入学がきっかけの流れのおかげなのである… 

 そしてもう一人のわたしの恩師である安藤先生のお陰でもあった…

 そして浩司の娘美香は、今も現役の女子プロバスケットボールプレイヤーとして活躍しているのである。

 だが…

 その反面、いや、それらの素晴らしい公私の公の好成績の反動が襲ってきたのである。

 そして公私の私は、今後のわたしの人生、恋愛観、共に大きく影響する様な辛い日々が始まったのであったのだ…

 そして当然の様に、わたしは、いや、わたし達は別れて不倫の関係を解消したのだ…
 それは、わたし個人的にはもの凄く衝撃的な出来事となり、今、現在の歪んだ、歪な恋愛観を生んだ事にも通じている流れと云えたのである。

     第5章 秋冷え…

         完






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