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雨の降る夜は傍にいて…
第6章 小夜時雨(さよしぐれ)…
 7 誘い…

 ウインターカップ県予選優勝祝賀会が終わり、わたしは浩司の経営するスポーツバー『BB CAFE』に一人立ち寄ったのだ。

「いらっしゃい、ゆり先生…
 優勝おめでとう、完勝だったな」
 と、浩司が言ってきた。

「ありがとう…」
 わたしは目で、試合内容を知っているの?…と、問うた。

「うん、試合は美香の撮ったビデオで見たよ」

「あ、そうなんだ…
 うん、ほぼ完勝できた…」
 わたしはまだ、その試合結果の興奮が心の奥底で続いており、それを鎮めたくて彼に会いに来たのである。

「ドライマティーニを…」

「おいおい、大丈夫なのか…」
 初めて会った夜には、わたしはヤケ酒でドライマティーニを駆けつけ3杯飲んで酔い潰れる、と、いう失態をしたのだ。

 だが、今夜はヤケ酒ではない…

「うん、大丈夫よ、1杯だけだから…」
 わたしはそう言いながら、
 今夜来て…
 と、目で語り掛ける。

「うん…、わかった…」
 すると彼はそう呟いた。

 既に、わたしは勝利の興奮で、ウズウズと激しく疼かせていたのである…

 そしてドライマティーニを飲み
「じゃあ、帰ります…」
 待ってます…
 と、目で語り、帰宅をする。

 今夜のスポーツバーは日曜日の遅い時間という事もあり暇であった。

 多分、浩司はすぐに来てくれる…

 わたしはは待ちきれずに急ぎシャワーを浴びる。

 ガチャ…

「あっ…」

 シャワーを浴びていると、浴室のドアが開き、裸の浩司が入ってきたのだ。

「ゆり…」

「あ…、こ、浩司…」
 わたしの退店とほぼ変わらずに彼は来てくれたのである。
 そしてそのままシャワールームに入ってきて、わたしを抱き締めてきたのだ。

「あ、ああ…」

「ゆり…」
 わたし達はシャワーを浴びながら、口吻を交わしていく。
 
 唇からは、彼の熱い想いが流れ込んでくる…


 そんな燃えるような、熱い夜の始まりであった…






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