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雨の降る夜は傍にいて…
第1章 台風の夜
 26 言葉の意味

 ジュボ、ジュバ、ジュボ、ジュバ…

 ジュボ、ジュバ、ジュボ、ジュバ…

「ああっ、ううっ、出っ、出るっ」
 私は彼女の絶妙なフェラにより、口の中で爆発的な射精をした。

 ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ…
 怒張は激しい絶頂感と共に3度の大きな震えを起こし、大量の精を吐き出したのである。
 それを彼女は口で受けてくれたのである。
 その快感に堪らない、愛おしさを募らせてしまう。

「はぁぁ、ふうぅ、ありがとう…」
 そう呟き、そして愛おしさのあまりに彼女の背中に手を触れ、柔らかな感触に浸っていく。

 そしてふと私はベッドサイドの窓を見る、と、台風の大雨は更に激しく、そして静かに高層の窓に打ち付けていたのだ。

 大型台風の低気圧のせいなのだろうか、こんな雨を見ると、なんとなく胸が騒ついてくる感覚がある。

「ああ、すごい雨…」
 すると彼女はそう呟いた。
 そしてそう呟く彼女の目を見て、ハッとした。

 そうか、やはり彼女は、この雨に、この嵐に反応をしているのか…
 私はたまにそう呟く彼女の言葉の響きに、そして窓を打ち付けている雨を見る目に、なんとなくだが不思議な感情を感じていたのである。

 だが、いま、なんとなく分かった気がする…
 彼女はこの嵐に、この大雨に反応しているのだ。

 そして抑揚と欲情…
 これらはきっと紙一重なのかもしれない。
 

「ねぇ、抱きしめて…」
 すると彼女は自らのお腹辺りに手を添えながら私の胸元にしがみついていきた。

「わたしの傍に朝までいて…」
 そして彼女はそう囁いたのだ。

 そうか、さっき抱いていた時に彼女のお腹に手術であろう大きな傷痕を見つけたのだ。
 それを訊きたかったが、訊く訳にもいかない。
 だが、今、その痕を手で押さえているのだ。

 この大雨の、嵐の低気圧で傷痕が痛み、疼いているのか…

 だから、だからなのか…

 彼女の抑揚と、欲情と、そしてこの言葉

 雨の降る夜は朝まで傍に居て…

 そんな意味があったのか。










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