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雨の降る夜は傍にいて…
第6章 小夜時雨(さよしぐれ)…
 24 別れの夜 ①

 わたしと浩司の二人は 11月の第2日曜日の夜に別れの話しをし、今日、12月29日の夜を最後に…と、話しをして以来の約1か月半の間逢わなかった。
 当然、彼のお店にもその期間は行かなかったのだ。

 本当は行きたかった…

 逢いたかった…

 グチャグチャになるくらいに、毎晩でも抱かれたかった…

 だが、なぜか、逢わなかった、いや、逢えなかったのである。

 理由はわからない、だがなぜか、電話が出来ず…

 メール等も出来ず…

 お店にも行けなかった…のだ。

 その約1か月半の間、勿論土日祝日には浩司の娘である美香ちゃんは練習に参加をし、当然の様に送迎の奥様とも少しは会話を交わし、ウインターカップ終了後は美香ちゃんは合宿にも参加をして計約10日位は関わりを持ったのである。
 そして勿論年が明けて正式に新チームのスタートとなれば、美香ちゃんも更にもっと練習に参加をし、3月の中学卒業と同時にほぼ正式入部となっていく。
 そして当然、その流れと共に奥様との関わりは今までの比ではなく、いや、倍増するのは明白であった。

 そんなこの1か月半の流れを考えていくと、実は、浩司という存在は、いや、その存在感自体が、わたしがお店に行く、もしくは『不倫』という関係が無い限り、ほぼ、全くといっていいほどに、無関係、つまりは関わる可能性すら無いのだ…
 と、いう事がはっきりと分かったのである。

 つまり、この先浩司と別れてわたし自身が彼のお店に行かない限り、そして彼が例えば娘の試合を観戦し、父親としてわざわざわたしに挨拶等の接近をしてこない限り、

 わたしと浩司は、会う、逢う、顔を見る、等々という事は起きない…のだ。

 これが、はっきりと、事実として分かったのである。

 なんということだ…

 わたしはその考えの想いの結果に、愕然としてしまった。

 もしかしたら…

 もし別れたら…

 浩司から近寄ってくるか、わたしがお店に行かない限り…

 2度と…

 2度と会えない…

 顔も見れない、のだろうか…




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