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雨の降る夜は傍にいて…
第6章 小夜時雨(さよしぐれ)…
31 別れの夜 ⑧
「ね、ねぇ、あの…」
わたしは抱き寄せてきた浩司の顔を見て口を開く。
「うん…」
「あ、あのね…」
わたしがやや言い出しにくそうに呟くと
「うん、どうした…」
優しい目に変わって訊いてきた。
「うん…あの、あのね…
さっき…ね、急に…ね
生理になっちゃったの…
ごめんなさい…」
わたしは必死な想いでそう言った。
「うん…
そうか…、生理か…」
すると浩司はそう呟いた。
「うん、ごめんなさい…」
そしてわたしは彼の目を見る。
えっ…
な、なに…
なんで…
彼の目は冷静であった。
どうして…
わたしは、その彼の冷静な目に違和感を感じてしまう。
なんで…
わたし達は今夜でお別れをするのだ、そしてそれは…
それは、当然…
今夜、最後の…
最後に愛し合うのが…
最後にセックスするのが…
えっ…
する気が…
無い……の…か?…
一応、わたし達は円満に、やむを得ない理由により、別れるのである。
だから、最後の夜は別れを惜しみながら愛し合うのが普通なんじゃ…
ないのか…
「えっ…」
わたしはそんな疑問の声を上げる。
「そう…か…」
それに対して彼は、本当に冷静に、そう呟いてくる…だけなのだ。
冷静なのだ…
ガッカリ感や、落胆の色がないのである。
それは最初から、今夜はそんな気持ちがさらさら無いという事である様に、動揺や、落胆、ガッカリ感が全く無いのである、いや、わたしには感じてこないのだ。
わたしは…
わたしは、あれほど動揺し、落胆したというのに…
浩司は、全く動じてはいないのである。
それは、最初からわたしを抱く、愛する、セックスをする気持ちが全く無いという事の表れなのではないのか…
既に浩司はもう気持ちを切り換えしている…と、いう事なのか。
「え…、そ、それで…いいの…」
わたしは思わずそう訊いたのだ。
すると、彼は黙ってわたしを見つめてくる。
その目は冷静であり、冷めて、いや、醒めて、いや違う、哀しい色をしていたのだ…
「よくはないさ…」
そしてそう呟いてきた。
「よくは…ないけど…さ…」
「わたしは…
わたしは…
今夜、最後だから、思い切って、ぐちゃぐちゃになるまで………」
「ね、ねぇ、あの…」
わたしは抱き寄せてきた浩司の顔を見て口を開く。
「うん…」
「あ、あのね…」
わたしがやや言い出しにくそうに呟くと
「うん、どうした…」
優しい目に変わって訊いてきた。
「うん…あの、あのね…
さっき…ね、急に…ね
生理になっちゃったの…
ごめんなさい…」
わたしは必死な想いでそう言った。
「うん…
そうか…、生理か…」
すると浩司はそう呟いた。
「うん、ごめんなさい…」
そしてわたしは彼の目を見る。
えっ…
な、なに…
なんで…
彼の目は冷静であった。
どうして…
わたしは、その彼の冷静な目に違和感を感じてしまう。
なんで…
わたし達は今夜でお別れをするのだ、そしてそれは…
それは、当然…
今夜、最後の…
最後に愛し合うのが…
最後にセックスするのが…
えっ…
する気が…
無い……の…か?…
一応、わたし達は円満に、やむを得ない理由により、別れるのである。
だから、最後の夜は別れを惜しみながら愛し合うのが普通なんじゃ…
ないのか…
「えっ…」
わたしはそんな疑問の声を上げる。
「そう…か…」
それに対して彼は、本当に冷静に、そう呟いてくる…だけなのだ。
冷静なのだ…
ガッカリ感や、落胆の色がないのである。
それは最初から、今夜はそんな気持ちがさらさら無いという事である様に、動揺や、落胆、ガッカリ感が全く無いのである、いや、わたしには感じてこないのだ。
わたしは…
わたしは、あれほど動揺し、落胆したというのに…
浩司は、全く動じてはいないのである。
それは、最初からわたしを抱く、愛する、セックスをする気持ちが全く無いという事の表れなのではないのか…
既に浩司はもう気持ちを切り換えしている…と、いう事なのか。
「え…、そ、それで…いいの…」
わたしは思わずそう訊いたのだ。
すると、彼は黙ってわたしを見つめてくる。
その目は冷静であり、冷めて、いや、醒めて、いや違う、哀しい色をしていたのだ…
「よくはないさ…」
そしてそう呟いてきた。
「よくは…ないけど…さ…」
「わたしは…
わたしは…
今夜、最後だから、思い切って、ぐちゃぐちゃになるまで………」