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おっかない未亡人
第3章 こんな追いチューは嫌だ
休憩ブースでベンディングマシーンでコーヒーを入れる
コーヒーが抽出されるまでの間
関本とのめくめく数秒を思い出そうとするが
どんなに張り巡らせても思い出すのは
あのバカとのガチャガチャのキスだった
ちきしょー
見事に塗り替えやがって
独り言が異様に響いて
誰にも聞かれなかったかゆっくり振り向く
「ゴウちゃん、、。」
同僚の郷田が窓際の高めの椅子に座ってスマホでゲームをしていた
「ご傷心?」
スマホ画面に目を向けたまま聞いてくる
「どちらかというとご乱心。」
「相変わらず忙しいな。」
「悩み事が尽きなくてさ。」
幸子も隣に座る
「さっきデスクの積み上げた資料が雪崩起こしてたぞ。」
「あーだから綺麗に片付いてたのか。ごめんねゴウちゃん。席離れてるのにわざわざ。」
「俺じゃないよ。松下が片付けてた。」
「へぇ~。」
「お前らなんかあったの?全然喋らないじゃん。」
「振られた。」
「え、そもそも付き合ってたの?」
「付き合ってない。」
「付き合ってないのに振られたの?」
「バカだよねぇあたし。いや、あいつがバカなんだ。」
「意味わかんね。やっと二人ともフリーになったのに、ここに来て離れる?」
「うちらってさータイミングがいつも悪いんだよね。」
「吉村が彼氏と別れたと思ったら松下が結婚して、吉村も結婚して離婚して再婚して、二人とも死別して、ここに来て?確かにバカだわ。むしろ運命だな。」
頬杖をついて外の景色を見下ろすと
駐輪場で松下がバイクに跨がるのが見えた
復帰したばかりだから時短勤務なのだ
おっ?
バイクの後ろに膝下くらいのスカートを穿いた女性が跨がった
その人が松下の腰を遠慮がちに触れていると松下がその人の手を引っ張って抱き付かせている
「ゴウ~、あれ何?」
郷田もゲームを中断して下を見る
「なるほどな。」
「あたしの一人相撲だったのね。でもあの人見たこといなぁ」
「気になる?」
「なーらーないけどさ。」
ますます心が乱される
あたしにあんなド下手なキスしといて
コーヒーが抽出されるまでの間
関本とのめくめく数秒を思い出そうとするが
どんなに張り巡らせても思い出すのは
あのバカとのガチャガチャのキスだった
ちきしょー
見事に塗り替えやがって
独り言が異様に響いて
誰にも聞かれなかったかゆっくり振り向く
「ゴウちゃん、、。」
同僚の郷田が窓際の高めの椅子に座ってスマホでゲームをしていた
「ご傷心?」
スマホ画面に目を向けたまま聞いてくる
「どちらかというとご乱心。」
「相変わらず忙しいな。」
「悩み事が尽きなくてさ。」
幸子も隣に座る
「さっきデスクの積み上げた資料が雪崩起こしてたぞ。」
「あーだから綺麗に片付いてたのか。ごめんねゴウちゃん。席離れてるのにわざわざ。」
「俺じゃないよ。松下が片付けてた。」
「へぇ~。」
「お前らなんかあったの?全然喋らないじゃん。」
「振られた。」
「え、そもそも付き合ってたの?」
「付き合ってない。」
「付き合ってないのに振られたの?」
「バカだよねぇあたし。いや、あいつがバカなんだ。」
「意味わかんね。やっと二人ともフリーになったのに、ここに来て離れる?」
「うちらってさータイミングがいつも悪いんだよね。」
「吉村が彼氏と別れたと思ったら松下が結婚して、吉村も結婚して離婚して再婚して、二人とも死別して、ここに来て?確かにバカだわ。むしろ運命だな。」
頬杖をついて外の景色を見下ろすと
駐輪場で松下がバイクに跨がるのが見えた
復帰したばかりだから時短勤務なのだ
おっ?
バイクの後ろに膝下くらいのスカートを穿いた女性が跨がった
その人が松下の腰を遠慮がちに触れていると松下がその人の手を引っ張って抱き付かせている
「ゴウ~、あれ何?」
郷田もゲームを中断して下を見る
「なるほどな。」
「あたしの一人相撲だったのね。でもあの人見たこといなぁ」
「気になる?」
「なーらーないけどさ。」
ますます心が乱される
あたしにあんなド下手なキスしといて