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おっかない未亡人
第3章 こんな追いチューは嫌だ
幸子たちが降りないので松下が閉めるボタンを押すが
関本がしまるドアを手でガーンと止めて無理やり開けて出て行く

なんとなくその場に立ち尽くしているとエレベーターは自動的に閉まった

松下が階数ボタンを押さないのでエレベーターはその階にとどまっている

「飲み会来るの?」

病み上がりの松下が来ないことは知っていたが
他に話題が浮かばなかった

松下は黙っている
途端に渡されたメモのことを思い出して怒りが沸き上がる

「やめとけって、、勝手すぎるよ。縛りたくないからって追い出してさ。いざ行動起こそうとするとやめとけ?バカにしてんの!」

松下は少しうつむいたかと思うと
幸子の首根っこを掴んで舌を絡ませてくる

「ちょっ、、ちょっ、、やだ!」

制止しようとするが力が強い
歯もがぢがぢ当たってきて自分勝手に動かれる
こんなのキスじゃない
リングで戦っているようなキスだった
せっかく関本にキスされていい気分だったのに
帳消しじゃない!

しかし首を掴む力が次第に柔らかくなって髪に指が絡み込んでくる

んんんっ

いつでも離れようと思えば離れられるのだが
幸子は久々のサレ慣れた男に情が湧いてくる

松下が唇を離して髪に指を絡ませたまま至近距離で幸子を見つめる
離した口から唾がとろーんと横に伸びて床にぽたっと落ちた
二人ともそんなの気にしない
お互い見つめあったまま目が潤んでいた 

「バカなの?」

心と体は愛してると感じても
幸子はウラハラの捨て台詞を言い残して出ていく

こんな追いチューは嫌だ

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