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おっかない未亡人
第6章 吠えるノリコ
「おっつかれさまでーす!」

大先輩の木村紀子だった

咄嗟に関本と離れる

「あ、お取り込み中だった?」


関本がガバッと立ち上がって紀子に駆け寄っていく

「ご無沙汰してます。」

幸子も駆け寄る

「ノリさーん!」

「ヨッシー!」

ハグをした

そういえば紀子は支社に戻ってくるんだった

「元気だった?」

「おかげさまで。」

この人は夫の葬式にも来てくれた

「落ち着いたらご飯いこ?」

「是非。」

幸子も嬉しい

「関本くん、ヨッシーのこと頼んだわよ。凄くいい子なんだから。」

「ヨッシー?」

関本が不思議そうに幸子を見る

「ああ、この子が入社したときから知ってるからさ。ずーっとヨッシーなの。」

「俺の知らない、時代か。」

「まだハタチだったもんねぇ。」

幸子は赤くなる

関本に話していない自分が居る
知ってほしいような隠しときたいような





二人を残して定食屋に来る

「遅かったな。味噌汁冷めてっぞ。」

松下は早々食べ終わって新聞を読んでいた

「課長の話が長引いちゃって。」

幸子のトンカツ定食まで頼んでくれていた

「ほんとだー。冷めてっぞ。」

言い方を真似した

「手紙何て書いてあった?」

「そんな仕事の進捗みたいに聞くなよ。」

「○ディバ買いにいったのか。まっつんのことを思いながら。フー!イカスー!」

「早く食べろ。」

話しているだけで楽しい
ずっとこのままで居ようね
離れた方が上手くいくのよねあたしたち


「ノリさんきたよ~。」

「ああ!戻ってきたのか!俺も挨拶行かないと。」


あたしたちは前に進む
時は流れる
どんなにへこんでいても
男がつれなくても
地球は回ってる

前に進もうとじわじわと思うのであった
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